2026年1月3日、第102回箱根駅伝、ゴールする青学大のアンカー・折田壮太。 写真/共同通信社
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(スポーツライター:酒井 政人)

強さの秘密は「技・体・心」

“5強”を軸に大混戦が予想されていた第102回箱根駅伝。終わってみれば、今年も最後に笑ったのは青学大だった。出雲7位、全日本3位から急上昇。箱根は4区終了時でトップと3分24秒差をつけられていたが、完勝した。

 総合成績は従来の記録を3分45秒も短縮する10時間37分34秒。2度目の3連覇を達成して、この12年で9度目の優勝となる。なぜアオガクは箱根駅伝にこれだけ強いのか。

 レース後の会見で名将・原晋監督はこう語っている。

「最近は『心・技・体』ではなく、『技・体・心』だと思っています。正しい技術力を持って練習を行えば、強化に見合った体つきになり、自信が生まれて、心に余裕が出てきます。青山メソッドが確立され、学生たちが理解して、行動に移す。それを後輩に継承していく。そういった伝統が12年で9度の総合優勝につながっているんじゃないでしょうか」

 筆者は青学大の強さは主に2つあると感じている。それは「選手層」と「ピーキング能力」だ。

 選手層でいえば、10000m登録選手上位10人の平均タイムが28分01秒08に到達。今回は予定していたオーダーを組み直した部分があったものの、他校ほどの“落ち込み”がなかった。

 1区を予定していた荒巻朋熈(4年)が直前に胃腸炎でダウン。そのため4区予定だった小河原陽琉(2年)が1区に入り、当日変更で外れる予定だった平松享祐(3年)が4区をそのまま走ることになったのだ。

 小河原は12km過ぎにトップ集団から引き離されたが、「チームのことを考えて1秒でも前へという気持ちで走りました」とトップの國學院大と1分19秒差の16位でタスキをつなげる。3週間ほど前に2区起用を告げられた飯田翔大(2年)は、「前半を抑えて、残り7~8kmをしっかり動かせたのが良かったです」と区間10位(日本人5位)と好走した。

 3区の宇田川瞬矢(4年)はさしこみに苦しめられるも、「残り3kmで少しペースを上げることができたと思います」と冷静に駆け抜けて11位から8位に浮上。4区の平松は区間3位の好走で5位まで順位を押し上げた。

「僕は11番目の選手でした。他の補欠の選手でも、正選手と遜色ない走りをしていたと思います。チーム全員でつかんだ勝利です」と平松は選手層の厚さを証明する走りを見せた。