左から、國學院大の前田康弘監督、主将・上原琉翔選手、次期主将・野中恒亨選手 写真提供/アディダス ジャパン
(スポーツライター:酒井 政人)
「陸上IQがめちゃくちゃ高い」
アディダス ジャパンは年末年始の駅伝シーズンに向けた「adidas ADIZERO EKIDEN COLLECTION」の新作を11月28日から販売している。体験型メディア発表会「ADIDAS EKIDEN DAY」のMorning Sessionでは、國學院大の前田康弘監督、主将・上原琉翔選手、次期主将・野中恒亨選手が登壇。ブランドキャンペーンに関連した“仲間”や“自信”にまつわるエピソードと箱根駅伝に向けた意気込みを語った。
今回のadidas ADIZERO EKIDEN COLLECTIONは新モデル『ADIZERO EVO SL WOVEN』をラインナップに加えた全9モデルで構成。晴れた日の富士山からインスパイアされたというソーラーブルーが印象的なコレクションだ。
上原は『ADIZERO ADIOS PRO 4』というモデルを愛用しており、「ポイント練習やレースで使用しています。クッションの柔らかさと沈んだときの反発の強さが自分にマッチしていて、アッパーのフィット感が一番好きです」と話した。
そしてユニークなのが野中だ。ジョグでは『ADIZERO SL 2』を着用しており、普段からシューズと“対話”をしているという。
「僕は結構、靴と会話をするんですよ。足を入れるタイミングで、今日はどんな感じで接地してほしい? とか聞いています。接地のスイートスポットがあるので、ここ? ここ? と確かめながら走っていて、『そこは違う』みたいに聞こえくる感じです」
ポカンとなった報道陣がいると察した前田監督がすかさずフォローする。
「野中の話を通訳すると、体調や靴に応じて走り方を変えているんですね。そういう選手はなかなかいない。陸上IQがめちゃくちゃ高いんですよ。どういう走りをすればパフォーマンスを発揮できるのか。常に考えて走っていると思います」
アディダスは「YOU GOT THIS(大丈夫、いける。)」をメッセージに、「もうひとり」の存在にフォーカス。自分の可能性を信じさせてくれる存在の大切さを伝えている。上原と野中は非常に仲が良く、競技面では切磋琢磨してきた。お互いが“もうひとり”の存在になっている。
「野中は後輩ながら冗談まで言い合える関係です。一方、走りでは一番頼りにしていますし、行動と発言力が伴う選手。4年生から見ても尊敬できると思います」と上原が後輩を褒めると、野中も「上原さんが凄いと思うのは、厳しさのなかに優しさが見えるところです。練習では後輩に自分(の強さ)を示しつつも、練習が終わると優しくて、後輩が話しかけやすい雰囲気を作ってくれるんですよ。それが僕や辻原輝が走れている要因かなと思っています」と主将の巧みなリーダーシップに感謝した。