2024年10月19日、第101回箱根駅伝予選会、総合10位で予選を通過した順大の選手たち 写真/日刊スポーツ/アフロ

(スポーツライター:酒井 政人)

東海大がラスト10mで急降下

 第101回箱根駅伝予選会、気温が25度近くまで上昇した酷暑のレースに苦戦する大学が多発。通過水準が下がり、ボーダーライン付近の争いは最後まで混迷を極めた。

 17.4km通過時では8位の東海大と9位の東京国際大はそれぞれ2分47秒と2分23秒のアドバンテージがあり、順当なら通過は濃厚な状況だった。一方で10位順大と11位神奈川大の差はわずか3秒。12位の東農大もボーダーラインまで11秒差、13位の国士大は22秒差、14位の明大は1分00秒差につけていた。

 このなかで脱落したのが東海大だ。第95回大会の優勝校に“ゴール直前”の悲劇が待っていた。チーム10番目を走っていたロホマン・シュモン(3年)がフィニッシュラインの10m手前でまさかの途中棄権。次の選手もなかなか姿を見せず、11時間03分39秒の14位で落選した。

 西出仁明ヘッドコーチによると、ロホマンの調子は良く、スタート前の状態はいつも通りだったという。

「ずっと暑くなる予報だったので、その準備はして来たつもりでした。集団走のグループはキロ3分03秒で行く予定を3分05秒に落としたんです。ただ早々に集団から離れていく選手がいたので、ロホマンは自分がやらないとダメだという意識が強かったように感じましたね。それが最後に熱ケイレンというかたちで出てしまったのかもしれません……」(西出ヘッドコーチ)

 他大学も想像以上の酷暑に大苦戦した。神奈川大はエース格の宮本陽叶(3年)が15km以降で途中棄権。10番目にゴールした中野蒼心(3年)も脱水症状で一時走るのを中断したという。それでも神奈川大は10時間59分12秒で9位通過した。