東農大が1秒差で涙

 運命の結果発表で悔し涙を流したのが東農大だ。第100回大会で10年ぶり70回目の出場を果たした古豪。前回はルーキー前田和摩が日本人トップの快走でチームを牽引した。

2024年5月3日、日本選手権の男子10000mで3位に輝いた東農大の前田和摩 写真/アフロスポーツ

 前田は5月の日本選手権10000mで日本人学生最高の27分21秒52を叩き出したが、その後、気胸を発症。小指徹監督は、「夏合宿の時点で予選会は前田なしで戦うという話をチームにしました」と今回は絶対エース抜きで戦う覚悟を決めていた。

 酷暑となった予選会は設定タイムではなく、「レースの流れに乗っていく」(小指監督)ことを意識。その結果、前田の同期である栗本航希(2年)が46位(1時間05分09秒)、 植月俊太(2年)が74位(1時間05分29秒)と健闘。順大に1秒届かなかったが、エース不在で出場ラインに肉薄した。

「1秒差ですから悔しいですよ。前田が走れなかったのはチームにとって痛かったですね。その反面、エースなしでここまで戦えたのは非常に大きいです。来年は前田も復活すると思いますし、箱根の経験者も6人残っています。楽しみな1年生も入るので、思い切ってトップ通過を狙いたい」(小指監督)

 では他の前回出場校はどうだったのか。明大はフリーで走った選手がタイムを稼ぐことができず、12位(11時間02分24)となり、7年連続出場を逃した。8年連続出場中だった国士大は13位(11時間02分40秒)。2年連続3回目の出場を目指した駿河台大は16位(11時間09分10秒)に沈んだ。

 100回大会を終えて、リスタートを切った箱根駅伝。“常連校”の顔ぶれが変わっていくのかもしれない。