文・撮影=酒井政人

水素吸引、高気圧酸素ルームなどでリカバリー

 夏合宿のメッカ、長野・菅平にプーマが手掛ける「PUMA RUNNING HOUSE SUGADAIRA」が期間限定でオープンしている。昨夏、新潟・妙高で〝初登場〟したリカバリーステーションだ。

 そのメディアツアーに参加したが、前年よりバージョンアップした施設は素晴らしかった。

 水素吸入ができるカウンターバー、屋外でのサウナと水風呂、高気圧酸素ルーム2台を完備。ラウンジスペースには卓球台、テーブルサッカー、ソファなどが設えてあり、選手たちのリフレッシュに最高の環境が整っているのだ。またプーマとパートナーシップ契約を締結している「RAKULEASE(ラクリス)」 のエレクトロストレッチも体験できる。

屋外にあるサウナと水風呂

 プーマが案内している大学生、高校生の陸上選手および指導者に限定しているが、どのサービスも無料で利用可能。昨年は延べ約500名が利用しており、今回は1000名以上の利用が見込まれている。

ラウンジスペースには卓球台、テーブルサッカーも

 なかでもプーマがサポートしている立大と城西大の選手たちは積極的に同施設を活用しているようだ。

 林虎太朗(立大4)は、「夏合宿の3次と4次を菅平でやってきたので、PUMA RUNNING HOUSE SUGADAIRAは数えきれないぐらい利用させていただいています。なかでも高気圧酸素ルームを一番活用しており、リカバリーがしっかりできている実感がありますね」と同施設の存在に感謝した。

左から立教大の林虎太朗、稲塚大祐、中田紫音

 久保出雄太(城西大4)も「菅平合宿ですごく調子が良かったのは、この施設も関係していると思っています。水素吸引や高気圧酸素ルームなどでカラダをしっかりとケアすることができて、心もリラックスできています」と話しており、心身のリフレッシュが質の高いトレーニングにつながっているようだ。

左から城西大の斎藤将也、久保出雄太、林晃耀

 水素は悪玉活性酸素を無毒化するだけでなく、細胞内のミトコンドリアに電子を運び、エネルギー産生をサポートする効果がある。そのためリカバリーに最適で、運動前の吸引でパフォーマンスアップも期待できる。

 高気圧酸素ルームは室内の気圧を上げることで、血管や筋肉が収縮して、体内により多くの酸素を取り込むことができる。その結果、コンディションやリカバリーに役立つのだ。

水素吸入ができるカウンターバー

 菅平合宿中はほぼ毎日来ているという中田紫音(立大4)は、「練習ばかりやっていると、身も心もボロボロになってきます。リカバリーだけでなく、リラックスできる要素がたくさんあるので、すごく助かっています」と笑顔を見せた。

 PUMA RUNNING HOUSE SUGADAIRAは多くのチームが利用しており、施設内で交流する機会は少なくない。知り合いの選手と談笑して、刺激を受けることもあるようだ。また卓球やテーブルサッカーでチーム対抗戦を楽しんでいる学校もあり、選手たちには夏合宿中のオアシスになっている。

 

プーマの最新レースモデルの感触は!?

 PUMA RUNNING HOUSE SUGADAIRAでは最新ランニングシューズのトライオンも実施。スパイク2モデルを含む全6モデルを着用して、近場を走ることもできる。

 そのなかで7月19日に発売されたレーシングモデルの『DEVIATE NITRO ELITE 3』が選手たちに好評だ。前作よりミッドソールが4㎜厚くなり、エネルギーリターンがアップ。一方、重量は194g(27.0㎝)とプーマ史上最軽量のレース用シューズに仕上がっている。では実際に選手たちはどんな感想を持っているのか。

「今年の箱根駅伝(8区)と関東インカレ(2部ハーフマラソン)で履かせていただいたんですけど、反発力があるだけでなく、しっかり地面を捉えてくれるので、リズムをより良くしてくれる感覚があります。それが前半のリラックスにもつながっているのかなと思います」(稲塚大祐・立大4)

「一番の印象は反発がとても強いことです。他メーカーにはない弾力+軽さがあるので、レース時に使いやすく、疲れたときでも軽さがあるので、回転力を補いやすいシューズだと思います」(斎藤将也・城西大3)

「この夏合宿のポイント練習はほぼ履きました。軽いですし、耐久性もある。反発性は他メーカーに負けないくらいあるので、駅伝シーズンでも使っていきたいです」(林晃耀・城西大4)

 プーマは2020年からランニング部門を本格強化。今年の箱根駅伝では20人(全体の8.7%)が着用するなど、学生長距離界の〝勢力〟を一気に拡大している。PUMA RUNNING HOUSE SUGADAIRAで最新モデルを履いて好感触を得た選手たちが他メーカーからプーマに履き替えるかもしれない。