中央大・藤原正和監督 写真提供/ナイキジャパン(以下同)
(スポーツライター:酒井 政人)
前半戦のMVPは2年生の佐藤大介
正月の箱根駅伝で4区までトップを独走した中大。往路2位、総合5位に入ったチームには山区間以外、8人の前回経験者が残っている。なかでも1区で飛び出した吉居駿恭、2区を好走した溜池一太、3区で区間賞を獲得した本間颯の10000m27分台トリオは超強力だ。
そして今季のトラックシーズンでも中大は強烈なインパクトを残している。まずは5月の全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会をトップで通過。7月上旬の日本選手権は5000mで7人(吉居、溜池、本間、藤田大智、岡田開成、佐藤大介、濵口大和)、3000m障害で柴田大地が出場して、長距離種目では大学勢最多の8人を送り出した。
就任10年目を迎える藤原正和駅伝監督は今季前半戦をこう振り返った。
「上半期は例年通り、3月下旬に記録会10000mでシーズンインして、7月20日の関東学生網走夏季記録挑戦競技会までトラックレースに出場しました。途中、合宿を入れながら溜めを確保するやり方で臨みましたが、シーズンが長すぎたのは反省点でしたね。そのなかで特に結果を出してくれたのが佐藤大介(2年)です。全種目で自己ベストを更新し、大事なレースでも外さなかった。上半期のMVPだったと思います。
各学年でいうと、4年生の溜池は安定感とタイムの両面で抜群でした。3年生は昨季苦しんでいた柴田が、日本選手権を走れるレベルに戻ってきてくれたのは大きな収穫です。1年生では濱口も日本選手権(13分52秒59)は悪くなかったですけど、三宅悠斗が伸びそうだと感じています。各学年の核になる選手が活躍して、まずまずの上半期だったと思います」
チームとしては「最低限、自己ベストを出す」ことを条件に、7月までは個々がやりたい種目に取り組むのが基本方針。その後は夏合宿で走り込み、駅伝シーズンを目指していくことになる。