2025年9月15日、世界陸上東京大会、男子マラソンで11位だった近藤亮太 写真/アフロスポーツ
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(スポーツライター:酒井 政人)

波乱の幕開けから壮絶なラスト勝負

 東京2025世界陸上の3日目(9月15日)はモーニングセッションで男子マラソンが行われた。朝7時30分に号砲が鳴ったレース。前代未聞ともいえるフライングでスタートをやり直す“波乱の幕開け”となると、レース後半は有力選手が次々と脱落した。

 30度近い気温のなかでペースは上がらず、40人近くいたトップ集団は中間点を1時間5分19秒で通過した。その後、25km手前で出場選手中2位の2時間3分13秒を持つゲティッチ(ケニア)が腹部を押さえて急失速。35km手前では同3位(2時間3分23秒)のT.タケレ(エチオピア)が途中棄権。さらに35km過ぎには同1位(2時間2分38秒)のD.ゲレタ(エチオピア)がレースをやめた。

 有力選手が次々と消え、トップ集団は削られていき、国立競技場には3選手が競り合いながら入ってきた。最後はA.ペトロス(ドイツ)にA.シンブ(タンザニア)が追いついたかたちでほぼ同時にゴールテープへ飛び込んだ。

 両者は2時間9分48秒の同タイム。写真判定の大接戦をシンブが制した。3位はI.アウアニ(イタリア)で2時間9分53秒だった。