2025年9月15日、世界陸上東京大会、男子3000m障害決勝での三浦龍司 写真/松尾/アフロスポーツ
(スポーツライター:酒井 政人)
予選から大歓声を受けて快走
東京2025世界陸上の男子3000m障害はメダルを目指した三浦龍司(SUBARU)が大会初日の予選から輝きを放った。7月のダイヤモンドリーグ(DL)モナコ大会でマークした8分3秒43の持ちタイムは1組トップ。集団後方からレースを始めると2周目付近から前方へ。その後は先頭争いをしながら、レースを引っ張るようなかたちになった。
トップ集団は1000mを3分00秒83、2000mは5分52秒91で通過。三浦がレースを動かしているように見えた。
「まだゲームを支配できるような感覚はないんですけど、ある程度、認知と意識はされているなかでの走りだったのかなと思います」
そして三浦が前に出ると会場がドカンと沸いた。最後までトップ争いを演じた三浦。8分30秒43の3着でフィニッシュして、悠々と決勝進出を決めた。
DLファイナル大会は「コンディション不良」で欠場していただけに、「一番の肝を突破できて、そこはホッとしています」と笑顔で話した。
「直前に周囲の選手が『温存のためにスローペースで行く』という話をしていたので、そういう感じになるんだなと思っていました。前に出たというか、出てしまったんですけど、ラストは着順(上位5着)を意識しながら、ある程度は追い込むつもりで走りました。これだけ強い負荷を入れられれば、スピードを出しやすい身体になる。決勝の最後はサバイバルレースになるのは分かっているので、そこに食らいつけるように調整していきたい。DLモナコ大会を再現するようなレースになればいいかなと思っています」
そして大会3日目(9月15日)の夜、満員の国立競技場が揺れた。