前田監督が語る箱根駅伝で「勝つ」ための戦略

 昨季は出雲と全日本を制しながら箱根は3位。今季は出雲を連覇したが、全日本は4位に終わった。しかし、11月16日の上尾シティハーフマラソンを青木瑠郁(4年)が日本人学生歴代10位の1時間0分45秒で制すと、11月22日の八王子ロングディスタンス10000mで野中が日本人学生歴代6位の27分36秒64をマーク。再び、國學院大に“勢い”が出てきている。正月決戦に向けて前田監督はチームの雰囲気をどう感じているのか。

「青木は全日本(7区9位)が良くなかったので、『勝ちにいくレースしよう』と言って、上尾ハーフに送り出しました。野中は世界大学クロカンの代表を10000mのランキングで選ぶということだったので、八王子ロングディスタンスに出場させたんです。27分台は普通に出ると思っていましたけど、他の主力も走っていたら、27分台が5人は出ていますね」

 今大会は“5強”を軸に大混戦が予想されるが、前田監督が特に警戒しているのが駒大と青学大だ。

「前回は中大・吉居(駿恭)君が抜け出すかたちになりましたが、今回はマークされますし、あのパターンにはならないと思います。そうなると2区が混戦になってきます。3区、4区のつなぎでどれだけパンチを出せるのか。そして最後は山で締めるみたいな感じの駅伝になるんじゃないでしょうか」

 國學院大としては2区を「1時間6分半」でカバーして、3区と4区でアドバンテージを奪って、山に入りたい考えだ。5区は「確実に71分台」でつなぎ、6区は「58分ぐらい」で攻め込んでいくプランを持っている。

「駒大は6区に伊藤蒼唯君が来ると思うので、7区に力のある選手を置く予定です。そして8、9区は大混戦でどうなるのかわからない戦いをしたいです。青学大や駒大のような切り札はありませんが、全体的なレベルはそこそこ高いので、面白い戦いをしたいと思っています」

 正月決戦まで約1か月。悲願の“初優勝”を目指して、國學院大が一丸となっていく。