2025年11月2日、全日本大学駅伝で8区を走る早大の工藤慎作 写真/SportsPressJP/アフロ
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(スポーツライター:酒井 政人)

きっかけは大学1年の全日本大学駅伝

 アシックスジャパンは駅伝シーズンに向けたランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack(エキデンパック)」を発売。その発表イベント「ASICS×EKIDEN Meetup ~あの日々を、強さにかえていけ。~」に同社のユニフォームを着用する4大学の選手が登壇した。

 今回のコレクションは「芽が育つ姿」や、スタートを意味する「信号が青に変わる瞬間」から着想したグリーンカラーを基調にデザイン。レース用となる「METASPEED(メタスピード)」の3型をはじめ、全9品番を揃える。

アシックスの「METASPEED」シリーズ 写真提供/アシックス(以下同)

 学生駅伝で活躍する選手たちも“あの日々”があったからこそ、現在のたくましい姿がある。箱根駅伝5区で活躍して、「山の名探偵」と呼ばれる早大・工藤慎作(3年)にもキャリアのターニングポイントがあった。それは大学1年の全日本大学駅伝だ。

「4区に出走しましたが、区間13位。チーム順位を3位から8位に下げてしまって、かなり苦しいレースになったんです。その後、凹んだ時期が長かったんですけど、それを乗り越えて、今年の全日本大学駅伝は8区で渡辺康幸さんの記録を塗り替えることができました。2年前の挫折が原動力になって、“あの日々”を強さに変えられているのかなと思います」

 工藤は11月1日の全日本大学駅伝で先輩・渡辺康幸が保持していた8区の日本人最高記録を5秒塗り替えて、三大駅伝で初の区間賞を獲得。さらに自信をつけて、正月決戦に向かうことになる。