早大のエースが日本人歴代3位の激走
日本人選手ではトップと30秒差の7位で走り出した早大・山口智規(4年)が素晴らしかった。持ち味のスピードで7秒先にスタートした城西大・キムタイに追いつくと、その後は並走する。
「ヴィクター君の後ろにつかせてもらおうと思ったんですけど、彼が嫌がって、『並走しろ』と言うので、一緒にリズムを作って行きました」
12km過ぎに國學院大に追いつき2位に浮上。権太坂の下りでキムタイに引き離されたが、中大・溜池の背中に近づいていく。
19km付近では大漁旗を持った父親から「男だろ!」の声援を受けて、戸塚の壁に挑んだ。最後は溜池に2秒差まで迫って臙脂のタスキをつないだ。3年連続でエース区間を任された山口。前々回にマークした2区の早大記録(1時間6分31秒)を大幅に更新する1時間5分47秒(区間4位)で駆け抜けた。
「前回は失敗レースを経験していますし、今年は成功できる自信はありました。ずっと『山口』と名前を呼んでもらえて、凄く楽しい66分だったなと思います。日本人トップを取れたのは良かったんですけど、青学大・黒田(朝日)君を考えながら練習してきました。勝負したかったですし、去年の黒田君のタイム(1時間5分44秒)に届かなかったのは課題が残りますね」
1年時は、「駅伝は好きではない」と話していた山口だが、名門校で競技に取り組み、「早稲田を好きになり、駅伝も好きになりました」と心身ともに成長。今季は駅伝主将として15年ぶりの総合優勝を目指すチームを引っ張ってきた。そして4年間の“進化”をこう感じている。
「1年時には考えられなかったような走りができるようになりましたし、たくさんの人に応援してもらえるような人間になれたのは、大きな財産になったかなと思います。今後は5000m12分台や、1500mの3分32秒切り、まずは世界大会の参加標準記録を突破して、ロス五輪5000m決勝の舞台に立てるように選手になりたいです」
主将がエース区間で激走した早大は4区のルーキー鈴木琉胤が区間賞。5区で工藤慎作(3年)がトップに立つも、青学大・黒田朝日(4年)に逆転され、往路Vに18秒届かなかった。