(写真:alexkich/Shutterstock)
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 2025年12月12日~14日、広島大学東千田キャンパスで「日本野球学会第3回大会」が開催された。各大学や企業、研究機関などで「野球」に関する研究を行っている研究者が一堂に会して研究成果を発表したり、交流を深めたりするものだ。

バイオメカニクス、スポーツ生理学から社会学まで包括する「野球学」

「野球学というものがあるのか?」と思う人がいるかもしれない。競技としての「野球」に打ち込む選手や指導者、トレーナーなどは知られているが、野球を学問として研究する研究者の存在は、一般的には知られていない。

広島大学東千田キャンパスで開催された「日本野球学会第3回大会」(筆者撮影)

 しかし、野球に関する学問にはバイオメカニクス(生体力学)、スポーツ生理学、スポーツ栄養学、スポーツ心理学、スポーツ医学、運動力学(物理学)、さらには社会学的なアプローチなど、多岐にわたる研究分野が含まれている。近年は、野球の統計学であるセイバーメトリクスや、弾道計測器「ラプソード」「トラックマン」を使ったデータ野球の分野が大きく注目され、これと連動したバイオメカニクス分野の研究者が増えている。

 こうした野球学の研究者が、プロ野球にも多数雇用されている。日本野球学会には、学会員であるプロ野球の監督、コーチ、トレーナー、アナリストなども参加。研究テーマによっては現役選手が出席することもある。

 日本野球学会は「日本野球科学研究会」として2013年に設立され、毎年大学や研究機関などで「研究大会」を実施してきた。こうした実績が認められ、2023年度から「日本野球学会」となり、2025年9月1日には日本学術会議・協力学術団体の指定を受けた。