アメリカや台湾の球界からも報告

 13日の基調講演では「ベースボールニューロサイエンス」と題して、東京大学大学院総合文化研究科の中澤公孝教授が講演した。

東京大学大学院総合文化研究科の中澤公孝教授(筆者撮影)

 中澤教授は、運動生理学・運動神経生理学・リハビリテーション医学・神経科学の研究者。日本のバイオメカニクス研究の第一人者だ。この日の講演では打撃、投球スキルの神経制御について最新の研究を紹介。野球のスキルをニューロサイエンスの対象として研究する楽しさについて紹介した。

中澤教授が行ったベースボールニューロサイエンスの講演(筆者撮影)

 午後からの企画シンポジウムは「野球科学の魅力と可能性を語る」。「球辞苑」でもおなじみのアナリストの金沢慧氏が座長となり、元ロッテ投手で今は慶應義塾大大学院で学ぶ若手アナリストの島孝明氏、スポーツキャスターの山本萩子氏、早稲田大学理工学術院の草深あやね氏が登壇。

「野球科学の魅力と可能性」座長の金沢慧氏による説明(筆者撮影)
島孝明氏の発表(筆者撮影)

 近年野球分野では「科学的アプローチ」が急速に浸透しつつあるが、競技への貢献だけでなく、科学的分析そのものが持つ「知的な面白さ」「エンタテインメント性」について紹介した。

 14日には基調講演Ⅱとして「暑さ対策の科学と実践―野球への応用を目指して―」。広島大学大学院人間社会科学研究科の長谷川博教授が、暑熱環境下における生理的反応や熱中症の発生要因を整理するとともに、現場での実践可能な暑さ対策の具体例を紹介した。

広島大学大学院・長谷川博教授の発表(筆者撮影)

 昨年から夏の高校野球では「クーリングタイム」が実施されているが、1年目は、その直後にパフォーマンスが低下した選手が続出したことについて、長谷川教授はそのメカニズムを説明した。