「その指導に科学的根拠はあるのか」を常に考えるように
ちなみにスポーツ系では日本武道学会が1968年、以後、ゴルフ(87年)、テニス(88年)、バレーボール(95年)、水泳(96年)、フットボール(03年)と学会が次々と設立されている。野球学会の設立は確かに遅すぎた。
「私は、大谷翔平選手の野球観にとても共感し、ある意味スポーツ選手としてのあるべき姿(スポーツマンシップ)を具現しているため、彼のプレーにずっと注目してきましたし、何よりも野球というスポーツを心底楽しんでいる彼の姿を見るのは楽しいです。
彼の打ち方は理想的で、欠点がほとんど見当たりません。日本の野球でもすごい選手でしたが、アメリカに渡ってからベースボールでさらに大きく進化し素晴らしい選手になりました。
なぜ、日本で大谷選手のようなスケールの大きい選手がどんどん生まれないのか? それは、現場の指導者の多くがバント中心のスモールベースボール(個でなく集団重視の野球)を杓子定規としているため打者が強振されることを忌み嫌う、つまり思い思いに強振されたのではスモールベースボールができなくなるからです。
自由に打たせて、考えさせて、科学の知識(エビデンス)に基づいて選手の能力を高め寿命を延ばす、こうした指導が求められている時代なのに、科学を一向に受け入れようとせず、いまだに旧態依然の考え方でアップデートしない、できない指導者の方々が経験と勘だけで“ああせえ、こうせえ”と言っている。そういう野球界を変えるために、野球学会で学んだ次世代の若い指導者や研究者、アナリストたちが、“そこに科学はあるんか!”をスローガンにして、野球界の各分野にどんどん進出して活躍してほしいと思っています」(宮西氏)
日本野球は、競技人口が減少し、甲子園を頂点とする高校野球が、様々な問題を抱えるなど、多難な時代を迎えている。「野球を科学する」若い人材が、野球界のブレークスルーをもたらしてほしいと思う。







