銀は1トロイオンス80ドルを大きく上回り、プラチナは一時同2500ドルを抜いて2008年に記録した当時の最高値を17年ぶりに更新した。非鉄金属の銅も最高値を記録した。

銀、プラチナともに脱炭素に伴う需要が増え、足元で供給不足に陥っている共通点はある。銅も旺盛な需要と中国の製錬能力増強に原料不足が顕著になり、製錬採算が悪化している。
リーマンショック時に金相場は一時3割強も下落
ただ、中長期で堅調な需要が見込まれても、ETFを中心にした貴金属市場への急激な資金流入には危うさもある。それが表面化したのが年末に起きた乱高下だ。銀やプラチナ、パラジウムを襲ったポジション調整の波は金にも押し寄せ、12月29日のニューヨーク金先物市場の下げ幅は200ドルを超えた。4500ドル台から4300ドル台への急落だ。
東京証券取引所に上場する代表的な金ETFである「純金上場信託(現物国内確保型)」は昨年10月、取引価格が大阪取引所の金先物をベースにした基準価格から大きく乖離して上昇し、東証が投資家に注意喚起を出す異例の事態になった。短期間に買い注文が増えて「現物確保→証券化」という工程が間に合わず、実際の金の価値を超えて既存のETF価格が急騰したことが原因だ。
AI(人工知能)銘柄が牽引する世界的な株高が崩れる事態になれば、ファンドなどが現金を確保するために金を売ることは十分考えられる。リーマンショック時に金相場は一時3割強も下落したのだ。金融資産全体に比べ市場規模が小さいからこそ、急拡大する貴金属ETF投資はリスクを孕む。
ゴールドマンは金について強気を維持する一方で、原油や天然ガス相場の先行きについては弱気だ。供給過剰に見舞われることで「大規模な供給障害やOPECの大規模減産がない限り、需給バランスを(需要喚起によって)修正するための相場下落が続く」と予測する。今年の平均価格はブレント原油で1バレル56ドル、米WTI原油で52ドルとした。