即答が求められるリアルタイム作業に最適な「Haiku 4.5」

【Haiku 4.5:速記係・アイデア出し担当】

 残りの3つのモデルは、生成AIチャットボット「Claude」を提供しているAnthropic社のものだ。同社のAIモデル・シリーズは、詩や音楽にちなんだ言葉を名前に付けることで知られている。

 HaikuはClaudeファミリーの中で最速かつ最安のモデルだが、その4.5では、スタンダードモデルの旧バージョン(Sonnet 4)に相当する性能を実現している。しかも回答速度は2倍以上とされており、即答が求められるリアルタイム作業に最適だ。

 品質よりも速度とコスト効率が重視される、大量の短文処理やブレーンストーミングにおいて、思考を止めずに反復作業をこなす速記係やアイデア出し担当者として機能する。

 たとえば、先ほどGPT-5.1が出力したドラフトを与え、「この記事に付けるタイトルの候補を10個考えて。この事件に興味がない人にも響くような、キャッチーなものにして下さい」と指示してみた。即座に返ってきた回答が次のようなものだ。

 Stack Exchangeのストライキという事例を通じた普遍的なテーマに焦点を当てたタイトル案を、10個提案します:

1.「信頼は一度壊れたら戻らない:Stack Exchangeが示すプラットフォーム企業の致命的な失敗」
2.「『ただで働く』ことの終わり:AIがあらわにしたボランティアの限界」
3.「声を聞かない企業は、いつか手放される:30年の知識はなぜ一夜にして武器になったか」
4.「データを献上する側の怒り:あなたの知識が企業を変える時代」
5.「『パートナー』から『商品』へ:コミュニティの信頼を失った時に起きること」
6.「プラットフォーム企業が忘れた原則:成長と初心の両立は可能か」
7.「退出も発言も出来ない時、人は何をするのか:ストライキが教える現代のジレンマ」
8.「AIが点火した30年分の不満:透明性なき企業統治の代償」
9.「『自由な知識』との約束を反故にした時代:Stack Exchangeが問うビジネスの本質」
10.「ボランティアの集団的停止が意味すること:デジタル時代の権力バランスの転換」

 このうち、特に広い層(ビジネスパーソン、AI業界関係者、サービス運営者など)に響きやすいのは 3番「声を聞かない企業は、いつか手放される」 や 6番「プラットフォーム企業が忘れた原則」 あたりでしょう。読者に「自社に置き換えて考える」スイッチが入りやすいタイプです。

 すべて気に入らなくても、「さらに10個アイデアを出して」や「もっと短文で」などと指示すれば良い。文字通り会話しながらブレストするような、そんな相手になってくれるだろう。