ファイアポイントが開催したカンファレンス
ファイアポイントは、2022年にロシアによる全面侵攻を受けて設立された企業で、長射程の自爆ドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイルを開発、製造しています。
主力製品は前述のFP-1で、高効率なレシプロエンジンを搭載し、100キログラム強の弾頭を、最大射程1600キロメートル先まで投射する能力を持ちます。ロシアの石油関連設備の多くを破壊したのが、このFP-1でした。
また、2025年9月には射程200キロメートルのFP-7、射程850キロメートルのFP-9という2つの弾道ミサイル開発を発表しています。
さらに、以前の記事「『ロシアを攻撃しなければウクライナは勝てない』 トランプ大統領が突然“転向表明”した理由は何か」でも書いたFP-5、フラミンゴ巡航ミサイルは、今後の戦況に大きな影響を与える可能性がある兵器となっています。
先月11月末、このファイアポイントが、メディア向けのカンファレンスを開催し、同社と同社製品のアピールを行いました。このカンファレンスは、同社のオーナーや共同オーナー、そしてアドバイザーとなっている元アメリカ国務長官マイク・ポンペオ氏も参加して開催されています(ただし、同社が公開したYouTubeの動画にポンペオ氏の姿は確認されない)。
カンファレンスで発表された注目すべき情報
このカンファレンスで発表された注目すべき情報は、フラミンゴがTERCOM(ターコム:地形等高線照合)能力を備えている可能性です。
TERCOMは、トマホークなど高度な巡航ミサイルに搭載されている誘導、ナビゲーションシステムで、電波高度計などを用いて、飛行経路下で観測された地形データと詳細な高度情報が記された地図を照合することで、高精度なナビゲーションを行うとともに、地形追随を行わせることで、ミサイルに極低高度での飛行を行わせるものです。
この情報は、記者の質問に答える形で、ファイアポイントの共同オーナーで、チーフデザイナーであるデニス・シュティリエルマン(Denys Shtilierman)氏が発しています(前掲YouTubeリンクの2時間15分あたりから)。また関連部分は、こちらのXへのポストに英語字幕が付けられています。