映画『トップガン マーヴェリック』では、トム・クルーズ扮するマーヴェリックは、敵防空網を避けるためF-18で深い谷間を縫うように飛行しました。現実の世界では、あのような谷間がなくとも川筋などの低地を縫うように飛行することで、同様に防空網を突破することができるのです。
フラミンゴは、TERCOMを搭載しておらず、この高度な防空網突破能力を備えていないと思われていました。しかし、カンファレンスでシュティリエルマン氏が発言したことで、フラミンゴがトマホークのような防空網突破を行える可能性が示されたのです。
発言の際、オーナーであるスカリーガ(Skalyga)氏など他の登壇者に慌てた様子は見られませんでした。それに、このカンファレンスはウクライナ国防省情報総局(GUR)やウクライナ安全保障局(SBU)の協力の下に開催されていましたが、この動画は公開から3日経過した12月6日現在でも公開が続けられています。
フラミンゴがTERCOMを備えているという情報は、既に公開しても問題のない情報とされているのでしょう(全くの嘘である可能性もありますが)。それは、既にロシア領への攻撃にTERCOM搭載のフラミンゴが投入済みであり、回収された残骸からロシアがそのことを既に把握している可能性が高いからではないかと予想されます。
フラミンゴの課題、ロシアの正確な地形データの入手
しかし、フラミンゴがTERCOMを備えていると発言したシュティリエルマン氏は、フラミンゴがトマホークと同じ能力を発揮できるとは言っていません。
発言の際に「正確な標高が記載された地図があれば」と前提条件を付し、さらには「残念ながらウクライナは現在ロシア連邦の正確な地形図を持っていないため、地形を回避してTERCOMシステムに基づいて飛行することができません」と述べています。
この発言は、一つの可能性を想起させるものです。