飛行高度30~40メートルは、トマホークに匹敵する高度です。もし、これが本当に実現できるのであれば、フラミンゴはかなり厳重な防空網を突破できる可能性があります。しかも、フラミンゴの弾頭重量はトマホークの倍以上もあり、射程もトマホークを上回ります。

 最終的な命中精度にもよりますが、石油精製施設のような目標を狙うのであれば、トマホーク以上の能力となる可能性もあるのです。

 シュティリエルマン氏は、上記の答えに続け「唯一のチャンスは、新しい高品質のレーダーを搭載した迎撃機が空中にいる場合です。そのとき初めてそれが見えるのです」と答えています。

 高度な戦闘機をロシア、ウクライナ国境の長大なエリアに貼り付け、長時間CAP(戦闘空中哨戒:Combat air patrol)させることは大変な労力がかかり、事実上不可能です。TERCOMが本来の性能を発揮したフラミンゴは、ロシアにとって悪夢となるでしょう。

先端側から見たフラミンゴ巡航ミサイル(2025年12月4日、写真:AP/アフロ)

ロシアのフラミンゴを防ぐ能力を低下させたタガンログ攻撃

 また、最近のウクライナ軍によるロシア領内攻撃には、これに関連している可能性のあるものが確認されています。

 先月11月25日、ロシア南部ロストフ州タガンログにある航空機製造企業、ベリエフをウクライナ軍がドローン、巡航ミサイルによって攻撃しました。これにより早期警戒管制機A-50の後継となるべく開発されていたA-100の試作機が完全に破壊されています。