ドラゴンクエストII以降のJRPG

 ここに同作を換骨奪胎した作品を羅列してみよう。

 まずは堀井雄二氏が続けて作り出した『ドラゴンクエストIII』『IV』である。

 いずれもIIで確立した「若者たちの旅立ち」「世界を巡る善悪の対立」「群像劇的な仲間の描写」をより発展させ、国産RPGの定型を固めていった。

 続けて今も人気の『ファイナルファンタジー』シリーズ(スクウェア、初代は5900円、1987年12月発売)は、多くのフォーマットをドラゴンクエストシリーズをリスペクトしていたが、特に重要なのは、ストーリー重視の作風であったと思う。

 そして、『ファンタシースター』シリーズ。

 若い主人公たちが星々を渡り、巨悪に立ち向かう構図は、80年代JRPGの王道そのものだ。

 とりわけ初代『ファンタシースター』(セガ、5000円、1987年12月発売)は、女性主人公アリサの成長譚を中心に据え、ドラゴンクエスト系の冒険様式をセガ流に再構成した作品と言える。

 また、ナムコの『ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー』(日本ファルコム開発、5000円、1987年7月)や、ハドソンの『桃太郎伝説』(ハドソン、5800円、1987年10月)も、「少年が仲間と力を合わせ、勧善懲悪の旅へ出る」文脈を共有している。

 特に『桃太郎伝説』は、和風ファンタジーとコミカルな要素を取り入れながら、ある意味ではドラゴンクエストのシステムをパロディ的に使っているところに注目したい。

 ここにハッピーエンドを疑うことなく、心地よいパーティメンバーとレベルアップの努力を重ねて、目標に突き進むストーリーゲームの地盤が固まった。