丸山希 撮影/積紫乃
(松原孝臣:ライター)
2026年2月より開催されるミラノ・コルティナ冬季オリンピック。各種目の魅力とともに、活躍が期待される選手をライターの松原孝臣さんが取材。今回はスキージャンプの丸山希選手を紹介します。
こんなにいい状態で開幕からスタートすると思っていなかった
その笑顔が現在地を明確に示しているようだ。長い海外遠征から帰国したノルディックスキー・ジャンプの丸山希は、終始明るい表情だった。
ミラノ・コルティナオリンピック開幕を前にした今、大きな注目を集める。
「こんなにいい状態で開幕からスタートすると思っていなかったので驚きから始まったんですけど、試合をしていくうちにすごくこのシーズン楽しめているな、と実感できました」
ノルウェー・リレハンメルで行われたワールドカップ開幕戦のラージヒルで初優勝を果たすとそこから3連勝。1月8日に帰国するまでの14戦で5度優勝したのを含め9戦で表彰台に上がり、その時点でワールドカップ総合2位につける。傑出した成績もさることながら、昨シーズンまで、ワールドカップの表彰台に上がったのは2度だけであることを思えば、脚光を浴びるのは自然であった。
飛躍をもたらしたのは丸山の決意だった。
昨シーズンが終わった昨年の春、ある数字を心に刻んだ。
「総合点240点、飛型点54点」
意味をこう説明する。
「オリンピックで金メダルを獲るのが今シーズンのいちばん大きい目標で、その過程として掲げました」
そのためには「飛距離点をまず上げなければいけないので、必然的に距離を出すトレーニングから始めました」。ゲートをあえて上げることで遠くへ飛ぶ練習を重ねた。
「飛ぶということを体に覚えさせたということですね」
飛距離が出るようになると、次は着地を決める段階へと練習は進んだ。
その過程で気持ちの面にも変化が生まれた。
