個人的に楽しみなのはラージヒル

 初めての大舞台、ミラノ・コルティナオリンピックは間近に迫る。

 オリンピックを意識したのは「ソチの前ですね」。2014年ソチオリンピックは、女子ジャンプが初めて採用された大会だ。

「ナショナルチームでソチに向けて頑張るぞ、ってメディアの皆さんに練習を公開した日です。それまでは『オリンピックって、はてな?』って感じだったんですけど、実際に自分の競技の人たちがオリンピックに向かう姿勢を見て、私も目指したいって思うようになりました」

 目指すだけでなく、金メダルを獲ることを目標としてきた。そこへの距離がぐんと縮まった今シーズンを過ごしてきて、今、オリンピックへの抱負をこう語る。

「ノーマルヒルよりラージヒルが得意なので、ラージヒルの方が個人的には楽しみにしていますけど、ノーマルヒルでもラージヒルでも私にとっては初めてなので、どちらも自分のジャンプができればと思います」

 最大のライバルは昨シーズンの世界選手権でノーマルヒル、ラージヒルの2冠に輝き、今シーズンのワールドカップで総合1位のニカ・プレブツ(スロベニア)。その勝負の行方も注目されるが丸山はこう語る。

「皆さんがオリンピックに向けて意識させてくれるので(笑)、自然的に楽しみ感は上がってきています。一番楽しみなのは試合ですね。日本チーム、男子も今すごく勢いがあるので、混合団体に出たいなという気持ちもすごく強いです。ノーマルヒルの個人戦の結果で団体戦のメンバーは選ばれるので、あれだけみんなの調子が上がっていると自分も出たいという気持ちが強いですし、楽しみ、ワクワク感はより高まっています」

 試合を楽しむ。自分のジャンプに集中する。その先に結果がある。

 丸山希は自分の可能性を信じて、踏み切る。

*JBpressでの連載「フィギュアスケートを支える人々」(2024年8月30日公開までの一部)と書き下ろしを含む電子書籍『日本のフィギュアスケート史 オリンピックを中心に辿る100年』(松原孝臣著/日本ビジネスプレス刊)が発売中です。

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著者:松原孝臣
出版社:日本ビジネスプレス(SYNCHRONOUS BOOKS)
定価:1650円(税込)
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