2025年9月14日、カーリング日本代表決定戦、「フォルティウス」の吉村紗也香 写真/築田 純/アフロスポーツ
(松原孝臣:ライター)
多様な背景を持つ5人
カーリングは、冬季オリンピックのたびに大きな注目を集める。
2006年のトリノオリンピックでは一大ブームが起こった。女子日本代表「チーム青森」が帰国して早々に行われた日本選手権の会場は数十のメディアが集まり、また観客も殺到し、入場制限がかかるほどだった。
その後も大会ごとに高い関心を集めてきたカーリングは平昌、北京オリンピックでさらに大きな注目を集めた。女子日本代表「ロコ・ソラーレ」が両大会に出場し、平昌で男女を通じて日本カーリング史上初の表彰台となる銅メダル、北京では決勝に進み銀メダルを獲得したからだ。競技のテレビ視聴率で見ると、平昌は2位と3位、北京では1位と2位を占めた。それもいかに関心が高かったかを示している。
そしてミラノ・コルティナオリンピックに出場する女子日本代表「フォルティウス」も、注目を集める要素をいくつも備えている。
メンバーはリードを務める近江谷杏菜、セカンドの小谷優奈、サードの小野寺佳歩、スキップ吉村紗也香、リザーブ小林未奈。この5人は多様な背景を持つ。
近江谷と小野寺にとっては久しぶりの大舞台だ。近江谷は2010年バンクーバー以来実に16年ぶり、小野寺は2014年ソチ以来12年ぶりとなる。
吉村は、5度目の挑戦でようやくつかんだ代表だ。十代から将来を嘱望される選手だった吉村は、高校時代、当時籍を置いていたチームで2010年バンクーバーオリンピック代表決定戦に出場。その後も代表決定戦に参加してきた。それは常に国内上位に位置していたことを意味するが、決定戦で敗れ続け、機会を逃していた。
近江谷、小野寺、吉村はカーリングが盛んな北海道常呂町(現北見市常呂町)出身であるのに対し、小谷は神奈川県相模原市に生まれ育った。小学生の頃、市内の施設でカーリングを体験、以来、できる機会は限られたがカーリングに取り組んだ。中学まで相模原市内、高校は神奈川県海老名市の海老名高校に通い、高校卒業後、山梨県内のチームに入社してプレー。2022年、フォルティウスに加わった。
小林は釧路市内で小学生の頃カーリングと出会った。以来、北海道タレントアスリート発掘・育成事業への参加などカーリングに打ち込み、2021年、フォルティウスのメンバーとなった。
そんなメンバーたちが一致して目標としてきたのは、オリンピックだ。そしてメンバーの経歴を見れば、やはり近江谷や小野寺、吉村に目が向く。
十数年という時間をかけての久々の出場、あるいは5度目の挑戦。それだけの長期間、あきらめることなく挑み続けてきたこと、届かなくても心が折れなかったことを意味しているからだ。
