2021年11月、スポンサー契約が終了
しかもその途中には、活動を続けていけるか厳しい状況に置かれたこともあった。
フォルティウスは2010年11月、小笠原歩、現在はチームのコーチを務める船山弓枝、吉田知那美の3名で結成、2011年4月に小野寺が加入。北海道銀行をメインスポンサーに、「北海道銀行フォルティウス」として本格的に活動を開始した。
その後メンバーの入れ替わりがありつつ活動していたが、北京オリンピック代表決定戦でロコ・ソラーレに敗れたあとの2021年11月、スポンサー契約が終了した。
第一線で活動するには海外遠征が必要であることなど、多額の費用がかかる。メインスポンサーを失えば、その資金が不足することになる。
それはチーム存続の危機と言えたし、大舞台への道が再び途切れたあとでもあり、精神的にも大きなダメージとなって不思議はない。
それでも話し合い、お互いの意思を確認すると、貯金を取り崩し、スポンサーを探し、あるいはクラウドファンディングを実施し、資金を獲得しながら続けてきた。
あきらめず、粘り強く取り組んできたからこそ、ようやくたどり着くことができたのがミラノ・コルティナオリンピックだ。
昨シーズン、敗れれば代表になる可能性が消える日本選手権で優勝し、道をつないだ。昨年9月の代表決定戦では予選リーグで連敗スタート、敗退の瀬戸際に追い込まれながら巻き返した。
そして昨年12月、8カ国中2カ国だけに切符が与えられるオリンピック最終予選で勝ち抜いた。
それらの経験は、本大会にもつながるはずだ。
「つらい時期も乗り越えてきました。やっとオリンピックの場に立てるので、目標の金メダルに向けて、一段と強くなった姿を見せたいです」
積年の思いをこめて、女子日本代表「フォルティウス」は念願の舞台に立つ。
*JBpressでの連載「フィギュアスケートを支える人々」(2024年8月30日公開までの一部)と、書き下ろしを含む電子書籍『日本のフィギュアスケート史 オリンピックを中心に辿る100年』(松原孝臣著/日本ビジネスプレス刊)が発売中です。
『日本のフィギュアスケート史 オリンピックを中心に辿る100年』著者:松原孝臣
出版社:日本ビジネスプレス(SYNCHRONOUS BOOKS)
定価:1650円(税込)
発売日:2026年1月20日
冬季オリンピックが開催されるたびに、日本でも花形競技の一つとして存在感を高めてきたフィギュアスケート。日本人が世界のトップで戦うのが当たり前になっている現在、そこに至るまでには、長い年月にわたる、多くの人々の努力があった——。
日本人がフィギュアスケート競技で初めて出場した1932年レークプラシッド大会から2022年北京大会までを振り返るとともに、選手たちを支えたプロフェッショナルへの取材を掲載。
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