被害者に寄り添うより「裁判員への配慮」、凄惨な写真どころか成人した娘の写真さえも…
ところが、大阪地裁で開かれた裁判では、血液が写り込んだ写真はすべて排除され、裁判員はそれらの写真を1枚も見ることはなかったといいます。
「恵果の遺体写真はもちろん、発生直後の現場写真も、とにかく血が流れているのは全部だめだというんです。もう、イラスト化以前の話です。『裁判員への配慮』という言葉を何度聞いたかわかりません。裁判所は被害者に寄り添うどころか、加害者の味方なんですか? そう問いたくなりました」
警察の調書の写真も「血だまり」が写っているという理由で排除された
それだけではありません。河本さんが恵果さんの生前の写真を証拠として提出しようとしたところ、『裁判員の心情に配慮しなければならない』との理由で、大幅に制限されたというのです。
「「私は恵果の写真を20枚提出していました。ところが、公判前整理手続きで証拠採用されたのは6枚だけ。しかも、すべて子ども時代の写真でした。
恵果は亡くなったとき、24歳の女性でした。婚約者もいましたので、彼氏との写真も出していました。
それなのに、裁判官は表情ひとつ変えず、『かわいそうと思われたらいけないので、裁判員の心情に配慮します』と言ったのです。思わず、『それってどういうことですか? 婚約者との写真もだめなんですか』と言い返したのですが、『決まったことなんで』と返されました。私たち遺族への配慮はないのでしょうか……」
もう一人の被害者の調書も公判では黒塗りに