これらの資産を誰が買うのか
ただここで疑問になるのはこれらの資産の買い手が誰であり、どんな活用方法があるかである。
まず、みなとみらいの本社ビルについては国内外の投資家に売却できるだろう。外資系投資ファンドやJREITなどが取得して引き続き日産に賃貸することで利回りも安定することが期待できる。
平塚市の日産車体湘南工場はどうだろうか。
10年前に三井不動産が取得した面積14万3000m2よりもやや大きい。三井不動産は取得後にららぽーと湘南平塚という商業施設にしているが、イオンモールのような大規模商業施設や物流施設などとしての開発が考えられる。買い手は三井不動産のようなデベロッパー系になるだろう。
問題は横須賀市の追浜工場跡だ。
なにせ面積が大きい。170万m2(51万坪)などという広大な土地を料理するのは並大抵なことではない。
一括して取得できる買い手も限定的だろう。横須賀市といえば以前は東京に通うサラリーマンのためのベッドタウンでもあったが、都心居住が全盛の現代においてニュータウン的な開発は現実的ではない。
そこで少し発想を変えて考えてみた。
日産自動車の栄光の歴史を残すことを目的に、この地をサーキット場にしてみてはどうか。サーキットといえば有名なのが三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキット場だ。鈴鹿サーキットの敷地面積は205万m2。追浜工場敷地は170万m2とそん色がない。