言行不一致を許容している放送局
SDGsは、2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標です。2030年までに達成すべき17の目標が掲げられており、その中に「貧困を終わらせる」「飢餓を終わらせる」が含まれています。
テレビ局も、番組のスポンサーになっている多くの一流企業も、SDGs推進を標榜しています。民放各局のホームページを確認すると、「SDGsの理念をニュースや企画を通じて、わかりやすく伝えていく」といった取り組み姿勢を打ち出しています。
「SDGsウィーク」と称して、1週間にわたって、さまざまな番組でSDGsを取り上げている放送局もあります。しかし、毎日のように「爆食」を面白がり、そんな言行不一致を許容している放送局にSDGsを語る資格があるのでしょうか。
ガザで食料配給に群がる幼い子どもたちの映像をよく目にします。一方で、フードファイターたちが貪り喰らう映像も目に入ってきます。どちらも必死の形相です。しかし、「生存の地獄」と「飽食の楽園」、つまり天と地の差がある、まさにパラレルワールドです。このパラレルワールドは不条理の極致であります。
これに無自覚でいるのか、あるいは意図的に目を逸らしているのだとすれば、社会的責任の放棄と言えるでしょう。
3月11日だけキャスターが被災地に飛んで、眉間にしわを寄せて、悲しそうな表情で綺麗事を並べるのと同じか、それ以上の偽善的な香りがします。