テレビ業界の足下に危機が忍び寄っているが…(写真:Leigh Prather/Shutterstock.com)

東京一極集中、地方の衰退を映すように、放送業界では東京キー局の羽振りがよい一方、ローカル局の弱体化は深刻さを増している。そうした事情を背景にして、NHKと民放が中継局を共同利用するための新会社がひっそりと誕生した。そこには、既得権益を死守したいNHKと民放、そして所管官庁である総務省の思惑が透ける。

(岡部 隆明:ジャーナリスト)

石破首相、冬のボーナスは341万円

 12月10日、石破茂首相に冬のボーナスが支給されました。首相の支給額は、計算上は579万円ですが、在職日数が短い上に内閣の申し合わせに伴って支給額の30%を自主返納するため341万円の支給となりました(ちなみに国会議員は319万円)。

 一国のリーダーに対するボーナスとして、この金額は高いのか安いのか? 意見が分かれるかもしれません。

 一方で、一般企業で働くビジネスパーソンの感覚から言って、明らかに手厚いボーナスを支給されているのがテレビのキー局です。

 石破首相の支給額を念頭に、私の古巣であるテレビ朝日のある中間管理職A氏に、冬のボーナスについて「300万円以上?」と直撃したところ、次のように答えました。

「はるかに上ですよ」

 そして、こう続けました。

「よい話なので記事にして構いません」

 一般財団法人・労務行政研究所の調査によると、東証プライム上場企業の冬のボーナスは平均83万5133円(平均年齢39歳、全産業、183社が回答)でした。これと比較すると、高待遇であることがわかります。

 キー局5社の2024年9月中間決算は、テレビ東京ホールディングス以外の4社が増収増益でした。営業局のB氏は「広告出稿がインターネットからテレビに回帰している動きもある」と嬉しそうに語っていました。

 業績の良い会社が、働く人に多くのボーナスを支給するのは結構なことです。しかし、次のような話を聞かされるとどう思うでしょうか。