観衆を沸かせた三浦龍司のスパート
村竹と順大時代の同期となる三浦龍司(SUBARU)もスタジアムを熱狂させた。男子3000m障害は1000mを2分46秒、2000mを5分35秒で通過。そして残り1周で三浦がアタックする。バックストレートでペースを上げると、トップを走っていたフィカドゥ・ミケルサ(エチオピア)を逆転。スタジアムに大歓声を呼び込んだ。水濠と最後の障害を華麗に跳び越えた三浦が8分18秒96で完勝した。
「国立競技場のレースは久しぶりでしたし、たくさんの観客に応援をいただきました。3000m障害にこれだけ関心を持ってもらえるのは凄くうれしかったですし、楽しく走ることができたと思います」
三浦は4年前に無観客開催となった東京五輪を駆け抜けているだけに、同じ国立競技場で行われた今大会の雰囲気に笑顔を見せた。
今季はシーズン初戦となったダイヤモンドリーグ厦門大会で自身が持つ日本記録に迫る8分10秒11で6位に入り、東京世界陸上の参加標準記録(8分15秒00)を突破。同大会の代表内定を決めたが、その後は右脚に痛みが出たため、ダイヤモンドリーグ上海・柯橋大会は欠場した。
「コンディションを崩したので、前半はペースメーカーが作るレースに乗って、障害との距離感、レース感を取り戻して、終盤は動きのキレを確かめました」
レースとしては、「大体OKかな」と評価した一方で、「ラストはもうちょっと切り替わってもいいかな」と課題も口にした。
「今季初戦はタイムだけでなく、動きも良かった。特に2000mまでの余裕度は手応えがあるので、今後は補強していきたい。上位に割って入れるような隙はあるかなと思うので、さらに上げていきたいです」と大観衆に沸く東京世界陸上の“メダル”を目指していく。