
(スポーツライター:酒井 政人)
1部5000mはルーキー鈴木が日本人トップ
関東インカレの男子1部5000mは早大のスーパールーキーが躍動した。この種目でU20日本歴代3位の13分25秒59を持つ鈴木琉胤(早大1)だ。日本学生個人選手権と同じく自ら切り込んでいく。
先輩たちを従えて2周過ぎまでトップを駆け抜けた。その後は10000mを3連覇したジェームス・ムトゥク(山梨学大4)に前を譲ったが、鈴木は留学生に挑み続ける。
トップ集団は1000mを2分43秒、2000mを5分24秒、3000mを8分10秒で通過。残り4周でヴィクター・キムタイ(城西大4)がペースを上げると、鈴木は引き離されて、溜池一太 (中大4)、花岡寿哉(東海大4)と第2集団を形成するかたちになった。
4000mの通過はキムタイとムトゥクが10分54秒で、溜池、鈴木、花岡は約2秒遅れ。残り2周を切って、鈴木が溜池と花岡を引き離すと、留学生に追いついた。ラスト1周は3人の戦いとなり、キムタイが最後の直線勝負を制して、13分31秒83で優勝。鈴木が13分32秒34の2位で日本人トップに輝いた。長距離2冠を狙ったムトゥクは13分34秒88の3位に終わった。4位は溜池で13分36秒93、5位は花岡で13分42秒49。6位は自己ベストの13分46秒30をマークした平島龍斗(日体大4)で、7位(13分49秒24)は大島史也(法大4)、8位(13分49秒72)は山口竣平(早大2)が入った。
1年生らしからぬ強気の走りを見せた鈴木。「雰囲気も高校とガラッと変わったなかでの試合でしたが、自分の走りはできたかなと思います」と充実の表情で話した。日本学生個人選手権は残り20mで松井海斗(東洋大2)に逆転を許しただけに、今回は花田勝彦駅伝監督のヒントを得て、“2段階スパート”を準備してきたという。
「この2週間は流しを2段、3段と上げるような練習をしてきたんです。残り800mくらいから少し飛び出て、ラストでもう1~2回上げる。今回は前に選手がいた状況での2段階スパートになってしまい、勝つことはできませんでした。でもガムシャラに走るだけでなく、考える早稲田らしい走りが見えてきたのかなと思います」
2週間前から“成長”した姿を見せた鈴木。7月に開催されるワールドユニバーシティゲームズでの活躍も非常に楽しみだ。