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西アフリカのベナンでは1月11日の国会議員選挙を間近に控え、2025年12月には軍の一部兵士によるクーデター未遂事件が起きました。ベナンを含むアフリカ諸国の民主主義の行方に注目が集まるなか、かつて日本でタレントとして知られ、駐日ベナン大使も務めたゾマホン・ルフィン氏が、母国ベナンで国会議員を目指し選挙戦に挑んでいます。

そんなゾマホン氏は、母国の状況を語るうちにヒートアップ。往年の『ここがヘンだよ日本人』の番組さながらに、「いまの日本はバカだよ!」と叫びます。日本愛にあふれるゾマホン氏が日本の現状に警鐘を鳴らす背景には、何があるのか。中国ルポライターの安田峰俊氏が聞きました。全2回でお届けします。

※JBpressのYouTube番組「安田峰俊のディープアジア観測局」での対談内容の一部を書き起こしたものです。詳細はYouTubeでご覧ください。(収録日:2025年11月27日)

国民議会選挙目前、クーデターへの緊張高まる

安田峰俊氏(以下、敬称略):ゾマホンさんが駐日ベナン大使を退任された理由は、母国の政権交代が大きく関係していたと考えていいかと思います。退任後は、現政権に批判的な立場から母国での議員当選を目指されている。本来、ベナンにおけるゾマホンさんは知名度も支持率も極めて高い候補者のはずですが、なぜ苦労なさっているのでしょうか。

ゾマホン・ルフィン氏(以下、敬称略):2016年9月に大使を退任して以降、母国のために命を懸けて活動を続けてきました。2019年1月29日、国会議員選挙に関わる中で暗殺未遂に遭いました。

 現在ベナンではタロン大統領の政権下で、非常に厳しい状況に置かれています。はっきり言って、今の政権は独裁です。憲法や国民の人権は守られていません。最近でも、夜中に意図的な停電を起こし、その隙に大統領の任期を実質的に延ばす憲法改正が行われました。日本の政治と比べると、ベナンの政治はマフィアのようなものです。

 元ビジネスマンのパトリス・タロンが2016年の選挙で大統領になりました。彼に反対する政治家や実業家は逮捕され、多くが国外へ亡命しています。法務大臣、経済大臣なども逃げざるを得ませんでした。今のベナンでは、国民が自由に意見を言えません。治安も悪化し、テロ事件や軍人の殺害が頻発していますが、こうした報道は禁止されています。

安田:ゾマホンさんは、国民から大統領選への出馬も求められていたとされます。ただ、大統領選や議会選挙の供託金が非常に高額になったという話も伺いました。