中学生200人超が参加する福島県相馬市のビーチバレー大会

 東京オリンピック・パラリンピック大会では、スポーツによる東北の復興支援を大会のレガシーとした。福島県相馬市で毎年開催される「ビーチフェスタ」は、その一環で始まった。

 夏休み中の7月最後の日曜に開催するビーチバレーボールの大会で、福島県内の中学生を対象にする。優勝者は全国大会の切符を得られ、参加者は本気で戦う。

 参加者は年々増え、7年目となる2024年は、中学生だけで200人超と過去最多となった。2023年からは30歳以上のマスターズの部も実施し、さらに多くの参加者を集めている。

 市内には、東日本大震災を機に新設されたり建て替えられたりしたスポーツ施設が充実している。サッカーコートや野球場、全天候型ドーム、相撲道場など、いずれも最新の設備が揃う。市では、こうした施設を割安に貸し出し、全国からスポーツ合宿を誘致する。

ビーチバレーで汗を流す中学生たち

 さらに、合宿を機に地域への関心を深めて観光需要に発展させようと模索する。その取り組みの一つに浜焼きがある。

 民宿が、地元の魚を軒先で串焼きして販売していたもので、串打ちの仕方に特徴がある。専用の長さ50cm、直径1cmの竹串を、大きなカレイでもずり落ちないようにしっかりと、しかし浅く打つ「踊り串」と呼ばれる技術が受け継がれてきた。

 民宿「遊学の宿いさみや」では、浜焼きの台を宿に併設し、合宿目的の宿泊客にも浜焼きを体験してもらう。細かいこだわりを聞きながら四苦八苦して串打つ体験により地域を強く印象づけ、将来の再訪につなげたいと考える。