ウクライナと欧州が敗北するリスクとコストを大幅に増加させる
また、英紙フィナンシャル・タイムズ(4月22日付)によると、プーチンはウクライナ侵略を現在の前線で停止する提案を行ったという。プーチンはトランプ氏のスティーブ・ウィトコフ特使にウクライナが4州において現在も維持する地域に対する主張を放棄する可能性があると伝えた。
しかし米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)は「現在の前線に近い状態で凍結することはザポリージャ、ヘルソン両州でロシアに莫大な利益をもたらす。ウクライナと西側諸国がロシアによる再侵略を阻止するどころか敗北するリスクとコストを大幅に増加させる」と懸念する。

ウクライナと欧州にとりロシア再侵略を阻止できる保証のない偽りの和平では意味がない。ウクライナ国民の9割近くがプーチンは侵略を止めないと信じている。戦死者25万人を含む90万人の死傷者(英国防省)を出したプーチンが領土面で大きく譲歩する可能性はゼロに近い。
7項目和平案は4月23日ロンドンで協議される予定だったが、マルコ・ルビオ米国務長官がドタキャン。フランスやドイツの外相も参加を取りやめ、米国のキース・ケロッグ特使と欧州諸国の高官協議に格下げされた。ゼレンスキー氏のクリミア発言が影響した。