プーチンは侵略したほぼすべての領土を維持できる

 トランプ氏はウラジーミル・プーチン露大統領がウクライナから不当に奪った領土を保持することをほぼすべて認める一方で、ウクライナに米国からの明確な安全保障を保証しない7項目からなる和平案を双方に呑まそうとしているという。しかし国際法では力による国境変更は禁止されている。

 英紙デーリー・テレグラフ(4月22日付)によると、この案ではクリミアに対するロシアの主権を正式に承認し、他の占領地域についても事実上の承認を暗示する内容を含んでいる。これにより現在の前線は凍結され、プーチンは侵略したほぼすべての領土を維持できる。

 4月17日のパリ会議で米国から提案された和平案の1項と2項は即時停戦と直接対話を盛り込んでおり、ゼレンスキー氏も受け入れ済みだ。3項ではウクライナが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を求めない代わりに欧州連合(EU)加盟の自由は認められるとしている。

 領土に関する4項では2014年プーチンが違法に併合したクリミアについて法的な主権を認めることを提案。ロシアが大半を制圧するウクライナのドネツク、ルハンシク、ヘルソン、ザポリージャ4州の前線を凍結し、プーチンは現在の占領地域をほぼ維持できると暗示している。