上妓となれば専用の個室が用意された。そこには鏡台など、妓の諸道具調度が揃っていた。(画像は溪斎英泉「傾城江戸方格 水道橋 丁子屋内唐歌」太田記念美術館所蔵)

遊女は男心の機微を覚る

 房中の口舌、思わせぶりといった、いわゆる「ふり」をつけるなどして、遊女は客を虜にした。

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