パリ五輪を逃した廣中が再び世界を目指す
絶妙なラストスパートで完勝した廣中璃梨佳(JP日本郵政グループ)だが、「8000mから自分のペースで上げていきたかったんですけど、ラスト2周で逃げ切るのが、今の状態だったのかなと思います」と自身の走りには満足していなかった。それでも久しぶりの笑顔が彼女の充実度を物語っていた。
廣中は2021年から日本選手権の10000mを3連覇した。さらに2021年の東京五輪で7位、2023年のブダペスト世界陸上でも7位に食い込んでいる。世界大会で「入賞」を重ねてきたが、昨年は日本選手権10000mを欠場。故障に苦しみ、パリ五輪の出場を逃した。
それでも24歳で迎えるトラックシーズンの初戦で“復活”の走りを披露した。
「昨季の(苦しい)経験がプラスになっているなと感じていますし、冬季にしっかり練習できたのが大きいかなと思います。日本選手権に帰ってこられて、しかも優勝できた。スタミナはついてきているので、今後はスピードをもう少し上げていきたい。この優勝をステップに今季は実りあるシーズンにしたいと思います」
5月下旬のアジア選手権でも「優勝」を目標に掲げている廣中。9月の東京世界陸上を目指して、ギアを上げていく。