林野火災の99%は人為的な要因
ところで、この原稿を書いている3月15日の時点では、大船渡市の林野火災の直接原因は調査中でまだわかっていません。しかし、何らかの人為的不注意やミス、危険行為が火災を引き起こしたことはほぼ確実です。
林野火災というと、雷が落ちたり、乾燥した木々がこすれたりして自然に発火すると思われるかもしれません。しかし、日本では落雷による林野火災はおよそ1.2%程度であり、それ以外の自然現象による出火はまず考えられません。ただし、火山が噴火すれば大規模な林野火災が発生することがあります。

「火入れ」とは、人が田畑や原野の枯れ草、下草などを焼却すること。「その他」には、焼却炉や煙突などからの飛び火、漏電、エンジンからの出火や原因不明等が含まれる 出典:「山火事の直接的な原因にはどのようなものがあるの?(消防庁統計資料に基づいて作成)」林野庁
つまり、林野火災のおよそ98.8%は人為的な要因によって発生しているのです。落雷が林野火災の原因になりにくいのは、落雷は積乱雲で発生することが多く、日本ではしばしば激しい雨を伴うからです。
いずれにしろ、キャンプや野外でのバーベキューでの火の始末には十分に気をつけましょう。
(編集協力:春燈社 小西眞由美)