好きな場所に基地をつくり運用できる?
日米地位協定(Japan-U.S. Status-of-Forces Agreement)の正式名は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」と言います。
協定は全部で28条あります。

第2条は「(米国は)日本国内の施設及び区域の使用を許される」として米軍に日本国内の基地使用を認めたうえ、第3条では米軍基地をどこに置くかという設定や基地の運営といった事柄について「(米側は)必要なすべての措置を執ることができる」と明文化しています。
つまり、基本的に米側は、ほしいと思った場所に基地を置き、自らの望むように日本国内で米軍を運用できるという取り決めです。
例えば、米軍機は事前の通告なしに日本の民間空港を自由に、かつ、優先的に使用できます。そのため、民間機の離着陸が制約を受ける事態が現在も再三にわたって生じています。
また、米軍機は日本の航空法の縛りを受けません。そのため、日本の航空機が飛行を禁じられている超低空の飛行や市街地での飛行も、米軍は自由に行うことができます。
そして、米軍人は日本の出入国管理法の適用を受けません。パスポート(旅券)やビザ(査証)、検疫などを受けることなく日本に出入国が可能です。
コロナ禍が日本で広がり始めた頃、初期には沖縄県や神奈川県など米軍基地の多い地域で感染者が拡大したことから、「米軍関係者がノーチェックで日本に出入りしていることが感染拡大の要因の1つ」とされました。このほか「米軍が日本に持ち込む物品には関税をかけない」という優遇措置もあります。