東京のど真ん中でも米軍機が超低空飛行
在日米軍の活動は日本の国内法による制約をほとんど受けないという現状にも変化はありません。事故の危険性や騒音・環境の悪化などと背中合わせの日常を強いられているのは、米軍基地の集中する沖縄県だけではありません。
例えば、東京のど真ん中でも米軍機が日本の航空機には認められない超低空飛行を繰り返していることがわかっています。
こうしたことから全国知事会は2020年、「米軍基地負担に関する提言」を取りまとめ、その中で日米地位協定の抜本的見直しを要望しました。米軍機の飛行について最低安全高度を定める航空法令や航空機騒音の環境基準を定める環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させること、さらには事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記することを求めています。
占領が解けてから70年以上が過ぎたにもかかわらず、いまだに「不平等」を温存したままの日米関係。安全保障のためにはやむを得ないとして受容するのか、それとも対等な関係になるよう改定を進めるのか。そろそろ本気で考えなければならない時期かもしれません。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。