鉄道が復旧すれば、帰って来られる人が増える。また、より安全に暮らせるようになる。
先ほどの町の住民が言ったように、リマンに人が住むことはリマンを維持していくのに大事なことだ。
友人は言った。
「見ただろ。誰もロシア軍を招待などしていない。勝手にやってきて、破壊して回ってるんだ」
侵略されるウクライナと、ロシアの侵略に翻弄される人々の姿を目の当たりにした気持ちになった。
破壊つくされた街で生活する人々の強さ
リマン地域訪問は、複雑な気持ちにさせられた。リマンから30キロほど行けば、クラマトルスクやスラビャンスクといった町がある。ここには近代的なスーパーマーケットもあるし、きれいなカフェもレストランもある。
これらの町も前線が近く危険には違いないが、生活インフラは機能している。軍人がたくさん住んでいるので、にぎわっているくらいだ。
しかしリマンはほとんど破壊されていた。住宅はもちろん、行政府も、教会も、学校も。それでも、そこに住み続ける人は強さには圧倒される。
しかし、その姿に感銘を受ける、という気持ちにはならなかった。早く逃げてほしい。そう思う気持ちが残った。
それでも感情に流されてはいけない。住民が言ったように、必要なのはロシアが撤退することだ。