(国際ジャーナリスト・木村正人)
「ウクライナ指導者の支持率は4%に落ち込んでいる」は完全なデタラメ
[ロンドン発]ウクライナと欧州連合(EU)の頭越しにウラジーミル・プーチン露大統領と和平交渉を始めたドナルド・トランプ米大統領。「戦争を始めたのはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領だ」と非難した。要は侵略者プーチンの主張を追認し始めたのだ。
米英メディアによると、サウジアラビアの首都リヤドでの米露交渉後、トランプ氏はマー・ア・ラゴでの記者会見で「ウクライナでは選挙が行なわれておらず、基本的に戒厳令が敷かれている状況にある」と戦争で凍結された大統領選を行う必要性に触れた。
「言いたくはないが、ウクライナ指導者の支持率は4%に落ち込んでいる。国は粉々になっている。前回の大統領選から随分、時間が経っている。これはロシアの問題ではない。私や他の多くの国々から出てきたものだ」(トランプ氏)。
4%というのは全くのデタラメだ。
ウクライナ大統領選は昨年3~4月に行われる予定だったが、戒厳令が敷かれているため無期限で延期された。昨年12月の世論調査では、ゼレンスキー氏に解任されたヴァレリー・ザルジニー前軍総司令官(現駐英大使)が36.1%対24.3%で現大統領をリードしている。