(舛添 要一:国際政治学者)
2月12日、トランプ大統領は、プーチン大統領と1時間以上にわたって電話で協議したことを明らかにし、ウクライナ戦争の停戦交渉を直ちに開始すると述べた。プーチンとの協議の後、トランプはゼレンスキー大統領とも電話で話し合ったという。停戦は実現するのか。
ロシアが見せ始めた対米融和姿勢
ロシアは、2月11日、拘束していたアメリカ人教師のマーク・フォーゲルを解放した。ウィトコフ中東担当特使が、自家用ジェトで密かにモスクワに飛び、解放交渉に当たり、帰路フォーゲルを同行させたという。ロシア人囚人との身柄交換である。
ホワイトハウスでフォーゲルと面会したトランプは、プーチンに謝意を表するとともに、ウクライナ停戦実現に向けてロシアとの信頼醸成に期待感を示した。国家安全保障担当のウォルツ大統領補佐官も、「ロシアの誠意ある公平な対応だ」と評価し、ウクライナ戦争停戦へと良い方向に向かっていると話した。
また、翌日の12日には、ベラルーシでもアメリカ人一人が解放された。
ロシアとしては、自らに少しでも有利な条件で停戦が実現するように対米融和の姿勢を示しているのである。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチンがトランプをモスクワに招待したと明らかにした。
トランプは、近いうちにサウジアラビアでプーチンと会談するとも語っている。