2024年10月28日月曜日、ウクライナ、ハリコフ地方ボブチャンスク近郊、最前線のシェルターで砲撃の音を聞く第92独立強襲旅団のウクライナ兵(写真:AP/アフロ)
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 ニュースなどで目にする兵士は「何か任務に就いている時」が多いのではないだろうか。ここでは、任務に従事していない時の兵士がどう暮らしているか。筆者が滞在したボブチャンスク方面の後方基地の兵士の日常風景を紹介したい。

前線近くで分散して暮らす兵士たち

 ウクライナでは兵士は普段、作戦に当たる地域の近くの民家や保養所などに基地を構え、分散して住んでいる。

 前線の近くには住民が避難してしまい空き家になった家屋がたくさんある。または、自然豊かな地域には多くの保養所がある。前線地域では、このような空き家や保養所が兵士の家と基地を兼ねているのだ。

 ウクライナは前線が長い。このため、分散生活が攻撃の被害を最小限に抑える鍵となる。

 筆者はいくつかの基地を訪れたが、いずれも家や保養所という人が住む、もしくは休むための場所なのである程度設備が整っており、居心地よく過ごすことができる。トイレも水洗で、シャワーも温かい。

 しかしながら、家の中にはいくつものマットレスが床に直置きされ、兵士たちが共同生活をしている。戦地での共同生活は支え合いつつも、ストレスのぶつけ合いになることもある。