2024年春先、筆者はウクライナ東部の取材をした。ドローン部隊の作戦に従軍した時、部隊が攻撃していたのは、ロシ
2024年11月、このリマン地域の中心から10キロほど離れた小さな町を訪問した。前回、激戦となっており、
そこでは、ロシア占領地域からわずか10数キロほどの場所に人々は住み続けていた。
ロシアに占拠された経験を持つリマン
リマン地域はドネツク州のクラマトルスク地区にある。2022年2月にロシアによるウクライナの全面侵略が始まり、5月にはロシアがこの町を占領した。しかし、同年10月にはウクライナ側が奪還を果たしている。ここはそのような激戦を経験してきた土地なのだ。
ウクライナが奪還し、すぐ平穏が訪れたわけではない。2024年前半にもロシア軍はリマン地域に再度攻勢をかけ、激戦地となった。
今回筆者が訪れたのは、リマン地域の中心となる町から10キロほど離れた小さな町だ。
ウクライナの状況は、決して改善していない。むしろ悪くなっている。東部前線は一進一退を繰り返し、膠着状態が続いている。
現在はたまたま、この地域は小康状態にあるらしい。それでも、この地域を取材するには軍の許可を取らなければならなかった。
昼間に訪れたが、常に爆撃音が響いていた。時折、自動小銃の音まで聞こえる。前線が極めて近いことを感じさせた。ここから少し東に進むと川が流れており、その向こうはロシアの占領地域だ。
市民がまともに暮らせるような環境ではない、というのが率直な感想だった。