食物アレルギーでも食事を楽しめる

 まずは、IT・デジタルの分野である。株式会社CAN EATは、消費者の食物アレルギー事故を防止する二つのサービスを外食産業に提供している。

 一つは、加工食品や調味料の原材料ラベルをスマートフォンで撮影すると、材料に含まれるアレルゲンを表示してくれるアプリケーション「アレルギー管理サービス」である。撮影された原材料ラベルの画像から、AIがアレルゲンを自動判定し、その判定結果を外部の専門家がダブルチェックする。
 
 もう一つのサービスは、消費者が食べられないものと食べられるものについての情報を事前に飲食店側と共有できる「アレルギーヒアリングシステム」である。どんな配慮が必要かを本人が細かく登録できるのが特徴だ。

 例えば、卵であれば加熱の要否、マヨネーズはだめだがつなぎに使われる程度なら大丈夫といった具合である。

(写真:Hakase/イメージマート)(写真:Hakase/イメージマート)

 食物アレルギーは、消費者の命にかかわる可能性もある。誤食事故の防止は、食物アレルギーのある人の不安を取り除くことに貢献している。

 また、飲食店で楽しめる料理のバリエーションが増えれば、食物アレルギーが原因で食べたい料理を我慢している人の不満の解消につながる。