「千葉ロッテは2005年にシーズン2位からプレーオフを制して日本一になって、観客動員は増加したのですが『指定管理者』になったことで、経営状態はさらに改善されました。2005年からの3年間で売り上げは約4倍近くに跳ね上がりました。売るものも違ってきたし、売り方も変わってきた成果だと思っています」
行政の受け止めはどうだったのか?
「売り上げの中から『行政財産使用料』をお支払いするスキームなわけですから、当然、売り上げが上がれば行政へのお支払いは増える。普通なら行政から指定管理者に委託料を支払うところが、こちらから使用料をお支払いすることになるので、そのことも評価していただけたと思っています。
以前は球場にポスター一つ貼るにしても、申請をあげて何週間もかかったし、球場周辺の街灯が暗いので何とかしてくれと要望書を出しても改善されるまで長い時間がかかりました。そういう部分も、民間になって劇的に改善されました」
その影響が日本プロ野球全体に及んだ千葉ロッテの経営革命
千葉マリンスタジアムの「指定管理者」は5年ごとの更新となるが、現在まで、千葉ロッテマリーンズが継続して契約を更新している。
「千葉ロッテの後、広島が広島市民球場(マツダZOOMZOOMスタジアム)の『指定管理者』になりました。また『指定管理者』ではありませんが、楽天やDeNAも球場の営業権を得ています」
荒木氏は、その後、パ・リーグの5球団と連携してリーグ共同でマーケティングを行う「PLM」(パシフィックリーグマーケティング)の設立にも参加する。
さらに2013年からNPBの特別参与として侍ジャパン事業のグランドデザインを手がけた。