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◎本稿には映画『ケナは韓国が嫌いで』のあらすじに関する記述が含まれます。これから映画をご覧になる方はご注意ください。
(韓光勲:ライター、社会学研究者)
韓国映画『ケナは韓国が嫌いで』が、3月7日から日本で公開されます。
原作は2015年に出版され、ベストセラーとなったチャン・ガンミョンの小説『韓国が嫌いで』。日本では2020年に翻訳・出版されています。
2015年当時、SNSを中心に「ヘル朝鮮」という言葉が若者の間で流行しました。いくら働いても生きづらく、将来のビジョンを見通せない韓国の若者の閉塞感を表した言葉です。本作はまさに「ヘル朝鮮」という流行語が示す韓国の閉塞感をよく表現した映画です。
向かう先はニュージーランド
韓国でも話題となった本作の見どころを紹介してみます。
主人公は28歳の会社員女性、ケナ(コ・アソン)。ケナが韓国からニュージーランドに向かう場面から物語は始まります。ケナがニュージーランドに行く理由は「韓国が嫌いで」。詳しく言えば、韓国では生きていけないから。「生まれた国でも嫌いになることはある」と、ケナは言います。