メディアは信頼が最後の砦
ネットメディア企業も、近年透明性改善に注力する社が出てきた。LINEヤフー社は合併前のヤフー時代に「メディア透明性レポート」を開始し、ヤフーニュースやコメントにおける削除ポリシーや削除件数などを公開している。一読すると、かなりの情報量があることがわかる。
スポンサーの日本企業の成熟も認められる。ジャニーズ問題等を経て、スポンサー企業も単にスポンサーを降りたり、CM差し替えを行うだけでなく、注文をつける時代になっている。
グローバルに事業を展開するような事業者に顕著だ。人権指針等を定め、それに基づいて、フジテレビに対して説明や調査を求めている。
◎当社広告の一部出稿停止について:キリンホールディングス株式会社
メディアの最後の砦は信頼である。
すでに広告費でみると、マスコミ4媒体の広告費の合計がインターネットに抜き去られて、近年は差が開くばかりである。ある意味では、信頼回復の最後のチャンスともいえる。フジテレビも再度の会見の開催、第三者委員会の設置を決めた。
◎フジテレビ 第三者委員会設置へ 3月末めど提言 信頼回復なるか | NHK
フジテレビのみならず、業界全体で今回の問題に限らず、改善すべきガバナンスがないか総点検する時期だ。放送のみならずメディア、そして社会を取り巻く環境、規範が激変するなかでは、「昔と同じ」「変わらない」だけでもあっという間に時代遅れになり、命取りになってしまう。
そのあまりに大きな負のインパクトをフジテレビの一連の問題は示唆するが、放置の代償の大きさはまだ計り知れない。