全期間固定金利型を利用できるのは5機関、気になる金利は?
ただし、現在リ・バース60を利用できる機関すべてで全期間固定金利型を利用できるわけではない。
全期間固定金利型の取り扱い開始は2024年1月6日からだが、その段階で利用できるのは日本モーゲージサービス、全宅住宅ローン、オリックス・クレジットの3社で、SBIアルヒは1月9日から、日本住宅ローンは1月24日から取り扱いがスタートした。
リ・バース60の取扱機関86機関のうち全期間固定金利型を利用できるのは5機関にとどまっているわけだ。そのため、住宅金融支援機構は今後段階的に利用できる機関を増やしていきたい意向で、「全期間固定金利型の取扱金融機関が決まり次第、機構ホームページにて公表する」としている。
金利については、例えば、みずほ銀行はまだ全期間固定金利型を採用していないが、2025年1月の金利は変動金利型が2.475%で、固定金利期間選択型の10年固定が3.00%、20年固定が3.60%となっているので、全期間固定金利型が実施された場合にはそれより若干高めの4%程度になるのかもしれない。
ただ、年齢にもよるだろうが、利用時の平均年齢が70歳近いため、最長35年の全期間固定金利型でなくても、金利が多少低めの固定金利期間選択型の10年固定、20年固定でもいいかもしれない。
いずれにしても、相続人である配偶者や子どもたちとよく相談した上で利用するようにしたい。
【山下和之(やました・かずゆき)】
住宅ジャーナリスト。住宅・不動産分野で新聞・雑誌・単行本などの取材、原稿制作、各種講演、メディア出演などを行う。『住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)、『はじめてのマンション購入絶対成功させる完全ガイド2022─2023』(講談社ムック)などの著書がある。