いよいよ住宅ローン金利の本格的な上昇が始まる気配いよいよ住宅ローン金利の本格的な上昇が始まる気配(写真:MT.PHOTOSTOCK/Shutterstock.com)

 首都圏のマンション価格が高騰し、好立地でマイホームを購入するのが難しい時代が続いているが、今年も住宅価格は上がり続けるのか。そして政策金利の引き上げ気配が強まる中で住宅ローン金利はどこまで上がるのか。住宅ジャーナリストの山下和之氏が、2025年の住宅市場を予測する。

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コストアップ要因に満ちている新築住宅

 住宅価格を予測する場合、新築と中古に分けて考える必要がある。

 新築住宅は、原則的に土地の取得費、建築費、分譲会社の経費・利益の合計を分譲戸数で割って価格が決定されるが、とりわけマンション適地の地価が著しく上昇し、建築費も高止まりしている。不動産会社の経営も人件費や諸経費のアップが価格押し上げ要因となっている。

 2025年もその流れは続きそうなので、分譲会社としてはコストアップ分を価格に転嫁したいところだが、問題は消費者がついてきてくれるかどうかだ。

 ついてくると判断すれば、価格を引き上げられるが、価格を上げると売れなくなると判断すれば、場合によっては値下げに踏み切らざるを得ないことになる。住宅価格はもう十分に高くなっているので、2025年は分譲会社にとってギリギリの判断が求められる年になるのではないだろうか。

 その判断を左右する消費者の購買力は、エリアによって大きく異なっている。